1.研修目標とプログラムの特徴・概要
【1】 基本理念と基本的臨床研修目標
基本理念
済生会創生の「救療済生」の精神に基づき、地域の医療・福祉に対し、ゆるぎない真の貢献を果たす
基本方針
1.患者さんの立場に立った良質な医療の提供をします
1.救療済生の精神に則り、保健、医療、福祉を充実します
1.済生会の職員として誇りと責任をもち、絶えず自己研鑽します
1.安定した病院経営を行います
1.安心して働けるように職場環境を向上します
研修目標
- 医師としての考え方、日常診療で頻繁に遭遇する疾患に適切に対応できるように、基本的診察能力(病歴聴取・理学所見・検査・治療手技・診療態度等)を身につける。
- チーム医療の構成役割を理解し、その他幅広い医療メンバー及び患者・家族と協調できる能力を身につける。
- 将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的ニーズを認識する。
- 医師として法律・制度・規程を理解し診療録その他必要医療記録を正しく記載できる。
- 医療安全・院内感染に対する考え方を理解し常に安全な医療を行う心構えと習慣を身につけ適切に対応できる。
- 生涯にわたる自己学習の習慣を身につけることができる。
- 地域完結型医療を理解し推進する為、適切なタイミングで、診療所・他病院への患者紹介ができる。
- 自己評価を行い、指導者評価、第3者による評価を受け入れ、診療その他に対する対応を再確認し自己能力向上に役立てることができる。
- 緊急疾患(処置・対応)、慢性疾患(治療・予防・在宅・社会復帰)に対する診療対応についての総合的な管理方法を身につける。
【2】プログラムの特徴
- 茨木市唯一の公的な急性期病院であり、地域医療及び2次救急医療の中核的病院であります。一方で、地域に根差す第一線の病院でもあり、一般内科の経験はもちろん、超高齢社会を反映し複数の病態を持った患者の診療経験もでき、高次病院や地域病院との病病連携も経験できます。
- 連携施設に大学病院や国立病院、大阪府下の済生会病院が多くあり、さまざまな症例を経験でき、自信がつきます。
- 指導体制は、研修医の定員に対し指導医が多く、丁寧な指導・研修が可能です。
- 医局は全科が一つの部屋に集まっているため、各診療科の垣根が低く、良好なコミュニケーションが可能です。
- 連携施設の研修時期及び研修科などについても柔軟に対応可能です。
【3】プログラムの概要
通常プログラム(定員1名)と、新潟県連携プログラム(定員2名)がございます。
その中で、2つの選べるコースを準備しております。コース選択後も、条件を満たせば、変更可能です。
●基本コース ⇒ イメージ
内科専門研修を3年間行い、幅広く内科領域を学ぶことができるコース
消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、腎臓内科、呼吸器内科、血液内科を一定期間ずつローテートします。
(内科をローテートしつつ、自分に合った専門科をこれから決定されたい方や、内科全般を幅広く診療したい方が選択されています。)
●Subspecialty重点コース ⇒ イメージ
希望するサブスペシャリティを内科専門研修と並行して研修するコース
(専門科を既に決めている方が選択されています。)
各科紹介
消化器内科
- 消化管疾患及び肝胆膵疾患全般においての診断および治療を行っています。
- 専攻医は、それらの疾患の主治医となり、治療・診断において、専門医から指導を受けながら処置治療などを経験できます。
- 初診再診外来や内視鏡検査なども数多く経験でき、消化器内科医としての基本的な知識や技術を身に付けることができます。
- 症例豊富で、経験豊富な指導医が丁寧に指導します。
- 研修期間中は、内視鏡手技などを間断なく修練できる、柔軟なプログラムを提供します。
消化器内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | 内科指導医4名(総合内科4名)/9名 |
主な実績 (2021年度) | 上部消化管内視鏡検査:2,050件 内視鏡的粘膜切除術(EMR):4 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):2件 超音波内視鏡(EUS):2件 異物除去:8件 食道静脈瘤硬化療法(EIS):0件 食道静脈瘤結紮術(EVL):0件 大腸内視鏡検査:1,305件 ERCP:56件 処置:51件 腹部血管造影:4件 TACE:18件 コイル塞栓術:1件 B-RTO:0件 動注:1件 |
学会認定施設名称 | ○日本内科学会専門医制度研修施設 ○日本消化器病学会認定施設 ○日本消化器内視鏡学会認定指導施設 ○日本超音波学会専門研修施設 ○日本肝臓学会特別連携施設 ○日本がん治療認定医機構認定研修施設 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
消化器内科 | 午前 | 上部消化管 内視鏡検査 | 病棟業務 | 外来診療 | 病棟業務 | 救急当番 | 病棟業務/ 外来診療(交代) | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | 下部消化管 内視鏡検査 | ERCP処置 | 病棟業務 | 外来診療 | 病棟業務 | |||
入院紹介・内視鏡カンファレンス | (第三水曜)病理カンファレンス | |||||||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
循環器内科
- 循環器専門医3名が所属しており、虚血性心疾患・各種不整脈・末梢動脈疾患などのカテーテル検査・治療を行なっています。
- カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術・経皮的動脈形成術)を積極的に行っていますが,手術適応の方については適切な施設へ紹介しています。またiFR 等の心筋虚血評価も積極的に行っています。また、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション(RFCA)や徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療も行っています。
- レッドミル運動負荷心電図・ホルター心電図・冠動脈CT 造影検査なども行っています。積極的に関われるように配慮します。
循環器内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | 内科指導医2名(総合内科1名)/2名 |
主な実績 (2021年度) | 冠動脈造影検査:81件 冠動脈CT検査:76件 血管CT検査:1件 血管MRI検査:0件 iFR測定:18件 経皮的冠動脈系施術:31件 カテーテルアブレーション:0件 経皮的動脈形成術:5件 IABP:0件 ペースメーカー新規植込:6件 ペースメーカー電池交換:1件 心大血管疾患リハビリテーション新規患者:16名 |
学会認定施設名称 | ○日本循環器学会循環器専門医研修施設 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
循環器内科 | 午前 | 病棟業務 | 病棟業務 | 病棟業務 | 病棟業務 | 心臓カテーテル検査 | 病棟業務 | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | トレッドミルテスト | 心臓カテーテル検査 | 冠動脈CT | 心臓カテーテル検査 | 心臓カテーテル検査 | |||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
糖尿病・内分泌内科
- 糖尿病専門医3名、内分泌・代謝専門医2名で糖尿病全般、特に糖尿病教育入院、手術前血糖コントロール、糖尿病昏睡や低血糖発作などの急性期治療、糖尿病合併肺炎などの治療・指導を行っています。
- 内分泌疾患に対しては茨木市に数少ない入院施設を持った専門診療科であり、副腎・脳下垂体・甲状腺・副甲状腺などの疾患に対して専門医が検査、治療を行っています。
糖尿病・内分泌内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | 内科指導医3名(総合内科1名)/4名 |
主な実績 (2021年度) | 2021年度外来患者数:9,804人(新患者数:404人) 新入院数:320名 糖尿病オープン教室、入院患者対象糖尿病教室 →コロナのため休止。代わりに糖尿病オープン教室ニュース発刊 日本内科学会 発表1回 日本内分泌学会 発表1回 |
学会認定施設名称 | ○日本糖尿病学会認定教育施設 ○日本病態栄養学会認定栄養管理・NST実施施設 ○日本栄養療法推進協議会認定・NST稼働施設 ○日本静脈経腸栄養学会・NST稼働施設 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
糖尿病・内分泌内科 | 午前 | 病棟業務 | 病棟業務 | 外来診療 | 病棟業務 | 病棟業務 | 病棟業務/糖尿病オープン教室(1回/3ヶ月) | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | 病棟業務 症例検討会 糖尿病・内分泌内科ミーティング | 病棟業務 | 病棟業務 | 病棟業務 院内糖尿病教室 | 病棟業務 | |||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
腎臓内科
- 常勤の日本腎臓学会指導医3名、日本透析医学会指導医1名、専門医2名による指導体制で研修を行っています。
- ネフローゼ症候群をはじめとした腎炎疾患群、急性腎不全血管炎、電解質異常から、慢性保存期腎不全、透析導入、透析導入患者の内シャント管理、維持透析、透析患者の合併症管理まで腎臓内科領域について幅広く学ぶことができます。
- ローテートにて内科各科の基礎を学び、同時に腎臓内科血液浄化センターのカンファレンス等にも参加していただけます。
- 症例報告などの学会発表についても積極的に行っており、指導を受ける事ができます。
腎臓内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | 内科指導医3名(総合内科3名)/4名 |
主な実績 (2021年度) | 透析ベッド数:21件 (月水金:2クール、火木土:1クール) 外来血液透析 患者延数:4,795人 入院血液透析 患者延数:1,548人 透析導入:33件 持続血液透析濾過法(CHDF):9件 エンドトキシン吸着(PMX):2件 二重濾過血漿交換(DFPP):1件 シャント手術:11件 シャントPTA:21件 腎生検:31件 原著論文 2編 短報 1編 透析医学会誌 letter to editor 1編 日本内科学会 発表 3回 日本腎臓学会 発表 1回 |
学会認定施設名称 | ○日本透析医学会専門医制度認定施設 ○日本腎臓学会研修施設 ○厚生医療担当医療機関(腎機能障害) |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
腎臓内科 | 午前 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 腎生検 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 | 透析室業務 病棟業務 外来診療 | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | 透析室業務 病棟業務 シャント手術 入院患者カンファレンス | 病棟業務 シャントPTA | 透析室業務 病棟業務 シャントPTA 腎生研カンファレンス 透析カンファレンス | 病棟業務 シャントPTA・手術 勉強会 | 透析室業務 病棟業務 | |||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
血液内科
- 血液内科は専門医が少なく、それだけに他科との連携で存在意義が大きい領域です。総合内科的素養が必要でその上で血液疾患の経験を積んでいくことが重要です。当院は血液内科指導医常勤1名のみですが、茨木市で唯一のトータルな血液内科診療をしている総合病院であり症例数は豊富です。良い研修となるように指導します。
- 2021年度の1年間の外来患者実数203名、入院患者実数69名。各種の貧血や血球減少、凝固異常、また白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など造血器悪性疾患も多く、化学療法件数は、外来162件(院内総数の21.0%)、入院178件(同40.8%)でした。2021年度の主な疾患別新患者数は、再生不良性貧血3名、赤芽球癆1名、特発性血小板減少性紫斑病3名、急性骨髄性白血病2名、急性リンパ性白血病1名、慢性骨髄性白血病1名、慢性リンパ性白血病1名、骨髄異形成症候群7名、本態性血小板血症6名、悪性リンパ腫21名、成人T細胞白血病リンパ腫2名、多発性骨髄腫(および類縁疾患)10名などでした。
- 学会発表:血液学会近畿地方会 1回
血液内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | (血液)内科指導医1名/1名 |
主な実績 (2021年度) | 2021年度の新患者数 外来患者 203人(実数) 入院患者 69 人(実数) 化学療法:入院178件(当院総数の40.8%) 外来162件(当院総数の21.0%) 骨髄異形成症候群:2例 急性骨髄性白血病:2例 非ホジキンリンパ腫:15例 アグレッシブNK細胞白血病:1例 多発性骨髄腫:2例 再生不良性貧血:2例 赤芽球癆:1例 自己免疫性溶結性貧血:2例 成人慢性好中球減少症:1例 造血幹細胞移植の適応で大学病院紹介:4例 ほか 学会発表 血液学会近畿地方会:1回 |
学会認定施設名称 | ○日本血液学会専門研修教育施設 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
血液内科 | 午前 | 外来診療 化学療法室 | 病棟及び 外来化学療法室 | 病棟及び 化学療法室 | 外来診療 化学療法室 | 病棟及び 外来化学療法室 | 病棟業務 | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | 病棟及び 外来化学療法室 | 病棟業務 骨髄検査等検査室業務 | 病棟業務 | 病棟及び 外来化学療法室 | 病棟業務 骨髄検査等検査室業務 | |||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
呼吸器内科
- 現在は慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、気管支喘息、肺炎、肺非結核性抗酸菌症、気管支拡張症、間質性肺炎、気胸などの診療を行っております。
- 肺癌に対する化学療法を始めております。
呼吸器内科 | |
内科・総合内科 指導医数 | 内科指導医1名(総合内科2名)/2名 |
主な実績 (2021年度) | 外来患者数:1,432名 新入院患者数:148名 気管支内視鏡検査(2021年9月~2022年3月) 検査総数:28件 内訳 経気管支生検:10件、経気管支肺生検:10件、 気管支肺胞洗浄:11件、気管支洗浄:15件、擦過:13件 観察:3件 |
学会認定施設名称 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | ||
呼吸器内科 | 午前 | 病棟業務 | 外来診療 | 外来診療 | 呼吸器 内視鏡検査 | 外来診療 | 病棟診療 | 担当患者の病態に応じた診療 ・オンコール ・日当直 ・講習会 ・学会参加 など |
午後 | 病棟業務 | 病棟業務 カンファレンス | 病棟業務 | 病棟業務 | 病棟業務 | |||
担当患者の病態に応じた診療・オンコール・当直など |
【4】連携施設・特別連携
施設の症例豊富な連携施設があります。(2年目1年間※半年ずつ分けることも可)
各年度により、各連携先の受け入れ人数の変動がございますが、できる限り希望に沿えるよう調整いたします。
◆京都大学医学部附属病院 (京都府)
◆国立循環器病研究センター (吹田市)
◆大阪府済生会中津病院 (大阪市)
◆大阪府済生会吹田病院 (吹田市)
◆大阪府済生会野江病院 (大阪市)
◆大阪府済生会千里病院 (吹田市)
◆大阪府済生会泉尾病院 (大阪市)
◆大阪府済生会富田林病院 (富田林市)
◆静岡済生会総合病院 (静岡県)
◆新潟県央基幹病院 (新潟県)
◆上越総合病院 (新潟県)
◆新潟県立十日町病院 (新潟県)
◆魚沼基幹病院 (新潟県)
◆神栖済生会病院 (新潟県)
◆上越総合病院 (茨城県)
◆摂津ひかり病院(特別連携施設) (摂津市)
◆ほうせんか病院(特別連携施設) (茨木市)
【5】求める研修医像
熱意があり、真摯で勤勉な方。そして、職員の和を持って患者へ親切に接することができる方をお待ちしています。
【6】医局・職場の様子
- 職員数が500人程度と、すぐに顔見知りになれるほどですので、あたたかい雰囲気の中で研修に専念できます。
- 希望すればいくらでも経験できますが、あまり強制されないので、自身のやる気がない場合は成果が期待できません。
- コメディカルスタッフが明るく、よく働いてくれます。
- 各診療科の垣根が低く、アットホームな雰囲気です。