薬剤科
インフォメーション
ご挨拶

2024年4月に薬剤科長に着任した松本芳信です。医療環境の変化に伴い薬物療法が高度化・複雑化する中、当薬剤科では調剤業務、病棟薬剤業務、がん化学療法、感染制御、医薬品情報管理など多岐にわたる分野で専門性を活かした業務を展開しています。
私たちは医薬品の専門家として患者さん一人ひとりに寄り添い、安全で質の高い薬物療法の提供に邁進しております。薬剤科では入職1年目から病棟業務に携わり実践的なスキルを磨ける環境を整えており、専門・認定薬剤師の資格取得支援制度も充実しています。 当薬剤科は医療チームの一員として薬の専門家の役割を果たし、患者さんの治療に貢献することを目指しています。スタッフ一同、向上心を持ち自己研鑽に励み、日々の業務を通じてチーム医療の一翼を担っております
薬剤科のご案内
薬剤科では、安全で適切な薬物療法を提供するため、専門知識と技術を活かした多様な業務を行っています。医師・看護師をはじめとする医療スタッフと緊密に連携し、質の高い医療の実現に貢献しています。主な業務内容をご紹介いたします。
主な業務内容
調剤業務
患者さんの処方について、電子カルテの情報から既往歴、医薬品使用歴、腎機能・肝機能などの検査値を確認し、用法・用量・相互作用に問題がないかを慎重にチェックしています。疑問点があれば医師に確認の上、調剤を行います。散薬・水薬の調剤には調剤支援システムを導入し、正確で安全な調剤を実現しています。また、錠剤やカプセル剤が飲みにくい方には、薬剤の品質を考慮した上で粉砕や一包化などの服薬支援を行っています。
注射薬調剤
入院患者さんの注射処方について、投与量・投与経路・投与速度などを確認し、配合変化も含めた安全性のチェックを行っています。患者さんごとに1回分ずつの取り揃えを行うことで、より安全な投薬を実現しています。
高カロリー輸液の調整
経口摂取が困難な患者さんの栄養管理のため、中心静脈から投与される高カロリー輸液を、薬剤師がクリーンベンチを用いて無菌的に調製しています。
抗がん剤ミキシングおよび化学療法への関わり
抗がん剤は投与量や休薬期間の確認を行い、安全キャビネットにて調製を行なっています。調製者の安全に配慮し100%排気型の安全キャビネットを導入しています。
外来化学療法室にて治療される患者さんへも薬物治療についての説明や副作用状況を確認し、医師・看護師と情報共有しています。

薬剤管理指導
入院患者さんを対象に、薬物療法が適切かつ有効に行われるよう、薬剤管理及び服薬指導を実施しています。患者さん個々の病態に応じての薬効解説、服用の意義、服用・使用上の注意などを説明します。患者さんが安心して薬物治療に取り組んでいただけるよう、副作用などについても詳しく説明します。医師・看護師と連携を取り薬剤師としての視点で薬物治療に参加しています。
薬品管理
適正在庫を見極め、不動薬品を整理しながら、薬品の購入及び在庫管理を行っています。医薬品の品質管理にも細心の注意を払い、安全な薬物治療を支えています。
医薬品情報管理(DI業務)
薬物治療において医薬品が適切に使用されるためには、その有効性、安全性に関する情報が不可欠です。常に医薬品の新しい情報を収集し必要時に医療情報を提供します。医療スタッフからの問い合わせにも迅速に対応し、最新の医薬品情報を提供しています。
チーム医療への参画
薬剤師はNST(栄養サポートチーム)、褥瘡対策チーム、ICT(感染対策チーム)・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)、緩和ケアチーム、糖尿病教育チーム(入院患者対象)などの医療チームに積極的に参加し、薬学的知識を活かした活動を行っています。多職種との協働により、より良い医療の提供を目指しています。
薬学部学生実務実習
6年制の薬学部学生実務実習を受け入れています。現場での調剤、服薬指導業務、DI業務など、大学では学べない他職種との連携やチーム医療にも重点を置き、多くの病院業務を学んで頂き、社会の期待に応えられるような、信頼される薬剤師の育成に努めていきたいと考えています。
院外処方について
当院では、外来患者さんに対しては原則として院外処方箋による「かかりつけ薬局」での調剤を推進しています。地域の保険薬局と緊密に連携し、患者さまに一貫した薬物療法を提供できるよう努めています。
薬-薬連携について
外来がん化学療法において、当院薬剤科と保険薬局が連携し、両者で情報を共有しながら患者さんの治療をサポートする取り組みをしています(この取り組みは患者さんの同意のもとに行っております)。
当院薬剤科から保険薬局へは、化学療法レジメン、服薬スケジュール、服用期間・休薬期間、癌腫、検査値、告知の有無等の情報を提供しています。保険薬局から当院薬剤科へは、「がん化学療法用 施設間情報提供書(当院作成書式)」を利用して、患者さんの状態や指導時に得られた情報等を提供していただき、病院-保険薬局間での双方向性の情報共有を行っております。
薬剤科スタッフについて
主な認定薬剤師など【2025年2月 現在】
- 日本病院薬剤師会 がん薬物療法専門薬剤師:1名
- 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師:1名
- 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師:3名
- 日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師:1名
- 日本静脈経腸栄養学会 NST専門療法士:1名
- 日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士:1名
- 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師:3名
- 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師:10名
- 日本アンチドーピング機構 認定スポーツファーマシスト:1名

薬剤科スタッフの紹介
①2024年入職者

【氏名】尹 美月
【出身大学】大阪医科薬科大学
【ひとこと】
入職後、調剤業務から始まり、1年目の10月からは病棟業務に携わり始めました。病棟では患者さんと直接話し、カルテだけでは得られない情報を収集できることの重要性を実感しています。大学で学んだ知識を臨床に活かすのは難しいですが、先輩の助言を受けながら日々成長中です。
②2013年入職者

【氏名】中尾 佳人
【出身大学】近畿大学
【認定資格】抗菌化学療法認定薬剤師
【ひとこと】
薬剤科内だけでなく、他部署とも良好な人間関係を築き、気軽に相談できる環境で働いています。資格取得のサポート体制も充実しており、私は抗菌化学療法認定薬剤師の資格を取得し、ICT・ASTチームの一員として活動しています。抗菌薬の適正使用に関わる業務は非常にやりがいがあり、専門知識を活かすことに大きな喜びを感じています。
学会等の発表実績
<2024(R6)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2024/5/24-26 | 第17回 日本緩和医療薬学会年会 | 東京 | 当院における新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行した後の緩和ケアラウンドの再構築 |
2024/11/2-4 | 第34回 医療薬学会年会 | 千葉 | 右大腿骨インプラント周囲骨折術後感染の術後血腫症例に対してアピキサバン注中断により改善を認めた症例 |
<2022(R4)年度>
論文
掲載雑誌 | タイトル |
---|---|
日本病院薬剤師会雑誌 58(7):764-769 2022 | テガフール・ギメラシル・オテラシル合剤口腔内崩壊錠の重篤な発疹に対してカプセル剤に変更して治療が継続できた症例 |
<2021(R3)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2021/10/9-10 | 第31回 日本医療薬学会年会 | WEB (熊本) | 「連携充実加算」でより充実した薬薬連携の取り組み |
2022/1/29-30 | 第43回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | WEB (滋賀) | 抗菌薬適正使用支援における薬剤師の役割 ~薬剤師へのコンサルテーション内容の解析から~ |
<2020(R2)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2021/1/30 | 第42回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | WEB (大阪) | 乳幼児の親が求める薬剤情報の調査 |
<2019(R1)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2019/11/2-4 | 第29回 日本医療薬学会年会 | 福岡 | ドセタキセルにおける先発医薬品と後発医薬品の安全性の比較 |
2019/11/2-4 | 第29回 日本医療薬学会年会 | 福岡 | 免疫抑制・化学療法によるB型肝炎ウィルス再活性化対策への取り組み |
<2018(H30)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
---|---|---|---|
2018/11/23-25 | 第28回 日本医療薬学会 | 神戸 | 当院でのベバシズマブ使用時における尿蛋白対策の実態調査 |
2018/11/23-25 | 第28回 日本医療薬学会 | 神戸 | 直腸テネスムスに対してメキシレチン塩酸塩内服が奏効した2例 |
2019/1/19-20 | 第40回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 奈良 | 腎機能の正確な評価を目指してー当院の患者データを用いた考察ー |
2019/1/19-20 | 第40回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 奈良 | オキシコドン徐放性製剤の増量で疼痛緩和が得られない患者で少量のフェンタニルテープにスイッチング出来た一症例 |
2019/1/19-20 | 第40回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 奈良 | 手術予定患者対象の健康食品やサプリメントに関する「患者向け説明書」の作成 |
<2017(H29)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2017/11/3-5 | 第27回 日本医療薬学会年会 | 千葉 | Microsoft Excelを用いた持参薬鑑別システムの構築とその有用性の検討 |
2017/11/3-5 | 第27回 日本医療薬学会年会 | 千葉 | 閉鎖式薬物移送システム「ネオシールド」導入による抗がん剤曝露対策の評価 |
<2016(H28)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
---|---|---|---|
2016/9/17-19 | 第26回 日本医療薬学会年会 | 京都 | 薬剤師による抗菌薬適正使用への貢献 - 現状と課題 – |
2016/9/17-19 | 第26回 日本医療薬学会年会 | 京都 | スペシャルポピュレーションなどの特殊症例に対するがん化学療法の経験 |
2016/9/17-19 | 第26回 日本医療薬学会年会 | 京都 | 薬疹出現にてTS-1OD錠を中止後、TS-1カプセルへ変更し良好な経過を辿った一例 |
2017/2/25-26 | 第38回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 大阪 | レジパスビル/ソホスブビル配合錠内服開始後に、B型肝炎ウイルスの再活性化が起こった1症例 |
2017/2/25-26 | 第38回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 大阪 | 酸化マグネシウム製剤による高マグネシウム血症発現の要因の検討 |
<2015(H27)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2015/11/21-23 | 第25回 日本医療薬学会年会 | 横浜 | がん化学療法と薬剤師によるB型肝炎のスクリーニング |
2015/11/21-23 | 第25回 日本医療薬学会年会 | 横浜 | 外来経口抗がん薬処方における双方向性の情報提供を実現した薬-薬連携の取り組み |
2015/11/21-23 | 第25回 日本医療薬学会年会 | 横浜 | SGLT2阻害薬の服用による腎機能変動に関する検討 |
2016/1/23-24 | 第37回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 神戸 | 川崎病初期治療(IVIG療法・IVIG+PSL療法)と肝機能障害との関連性 |
2016/1/23-24 | 第37回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 神戸 | 当院産婦人科病棟における、分娩後の患者を対象としたアンケートに関する評価 |
<2014(H26)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2014/9/27 | 第24回 日本医療薬学会年会 | 名古屋 | 外来経口抗がん薬処方に対する薬剤師の関わりと薬-薬連携の取り組み |
2014/9/27 | 第24回 日本医療薬学会年会 | 名古屋 | 当院における心不全患者へのトルバプタンの短期間および長期間の使用状況 |
2014/9/28 | 第24回 日本医療薬学会年会 | 名古屋 | 注射抗菌薬とClostridium difficile関連下痢症の発生率の調査 |
2015/1/25 | 第36回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 和歌山 | Microsoft® Excelを用いた小児薬用量自動計算システムの構築 |
2015/1/25 | 第36回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 和歌山 | 当院外科病棟における病棟薬剤業務の取り組み |
2015/1/25 | 第36回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 和歌山 | 当院における疑義照会に関する調査 |
<2013(H25)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2013/9/15-16 | 第7回 日本緩和医療薬学会年会 | 千葉 | 入院患者における医療用麻薬レスキュー薬の自己管理に向けたマニュアル作成 |
2014/2/1-2 | 第35回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 京都 | 糖尿病患者におけるレボフロキサシン服用後の血糖変動調査 |
<2012(H24)年度>
学会発表
開催年月日 | 学会名 | 開催地 | 演題名 |
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2013/1/26-27 | 第34回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 大津 | 病棟薬剤業務拡充に向けた当院の取り組み |
2013/1/26-27 | 第34回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 大津 | Mycobacterium intracellulareによる腰椎化膿性脊髄炎の一例 |
2013/1/26-27 | 第34回 日本病院薬剤師会近畿学術大会 | 大津 | 当院での病棟常駐化に向けた取り組み~脳外科、循環器病棟での問題点解決に向けて~ |