消化器内科
インフォメーション
当院は内科専門研修基幹施設、日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設、日本超音波医学会超音波専門医研修基幹施設の認定を受けており、
消化器内科ではこれらの学会の指導医・専門医・認定医のほか、日本超音波学会指導医、日本肝臓学会の専門医を擁しています。
当院では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓等の各臓器における、出血、結石、炎症性疾患といった良性疾患から、がんを筆頭とする悪性疾患までを対象に、幅広く診療を行っています。
患者様一人一人に寄り添い、安心して治療を受けられる環境を提供できるよう努力しています。消化器疾患でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
- 内科の外来診療担当表はこちらをご覧ください
内視鏡検査時の鎮静剤使用について
大腸がん検診などで便潜血陽性を指摘され、大腸内視鏡検査を受けられる方が増えていますが、同時に検査に不安をもっておられる方が多くおられます。当院では、患者さんの苦痛軽減のために積極的に鎮静剤の投与を行っています。
具体的にはベンゾジアゼピン系鎮静剤ミダゾラム使用し、患者さんの年齢、体重、基礎疾患等を勘案し使用しています。また胃内視鏡検査においても、不安が強い患者さんに対しては、ご希望があれば通常の局所(のど)麻酔に加え、鎮静剤を使用したり、鼻からのカメラ(経鼻内視鏡)での検査も行っています。
胃や大腸にできるポリープについて
胃と大腸ではポリープに対する対応は異なります。
胃ポリープは良性ポリープが圧倒的に多く、がん化することは稀です。特に、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していない胃粘膜に発生する胃底腺ポリープ(多発性のことが多い)ではがん化することは極めて稀です。ピロリ菌は6歳ぐらいまでに感染することが多いですが、感染が続きますと、胃粘膜萎縮(慢性胃炎)を来たします。この胃粘膜を背景として過形成性ポリープが発生することがありますが、このポリープの場合もがん化は稀ですが、ピロリ菌除菌で治療を行ったり、2cm以上の大きなものでは癌の併存のリスクを考え内視鏡治療を考えることがあります。
一方、大腸ポリープは、多くは腺腫と呼ばれる腫瘍性のポリープです。このポリープは、大きくなるにつれがん化の可能性が高くなりますので、5mmを越える場合には積極的に内視鏡的に切除します。
胃ポリープ、大腸ポリープともに、がんを合併していることがありますが、がんが粘膜に留まっている場合には内視鏡的切除で根治できます。
肝機能障害について
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を認めた場合、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス等のウィルス性肝疾患の他に、脂肪肝やアルコールによるもの等、様々な要因が考えられます。
患者さんに自覚症状が認められないことが多く、診断された時には、肝障害が進行していることもあります。
肝機能障害を指摘されたら、一度、医師の診察を受けて下さい。
診療内容
症候分類 | 具体的傷病名 |
---|---|
悪性腫瘍 | 食道がん、胃がん、大腸がん、肝がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がん、 消化管神経内分泌腫瘍(NET)、消化管間質腫瘍(GIST)、MALTリンパ腫 |
胃腸疾患 | 胃食道逆流症、胃十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア、 過敏性腸症候群(IBS)クローン病、潰瘍性大腸炎、腸閉塞、腸重積 |
出血性疾患 | 出血性胃十二指腸潰瘍、食道・胃静脈瘤破裂、大腸憩室出血、虚血性腸炎 |
感染性疾患 | ヘリコバクター・ピロリ感染症、感染性腸炎、肝膿瘍 |
肝疾患 | ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、 原発性硬化性胆管炎(PSC)、薬剤性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎(NASH) |
胆道疾患 | 胆石、総胆管結石、急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)、閉塞性黄疸 |
膵疾患 | 急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵石症、膵嚢胞 |
胃がん、食道がん、大腸がんの治療は病変の主体が粘膜内にとどまっている場合は内視鏡治療(EMR、ESD)を第一選択としており、内視鏡治療の適応を越える症例に対しては手術や抗がん剤治療等をガイドラインに沿って行っています。
吐・下血の患者さんに対しては緊急内視鏡検査および内視鏡的止血術が迅速に行える体制となっています。
閉塞性黄疸症例については、緊急時も含め適宜内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)・乳頭切開術(EST)を行い、結石治療やプラスチック製のチューブ(ERBD, ENBD)や金属ステントの留置による内視鏡的胆管ドレナージ術(EBD)を行っています。
膵胆管のがんに対しては、内視鏡下の擦過細胞診や超音波内視鏡(EUS)下の穿刺細胞診による診断を積極的に行っています。また、内視鏡下のステント留置術による減黄術やEUS下の膵仮性のう胞に対するドレナージなども積極的に行っております。
肝臓がんの治療では、TACE(Transcatheter Arterial Chemo-Embolization=肝動脈化学塞栓術)、RFA(radiofrequency abration=ラジオ波焼灼術)、免疫チェックポイント阻害薬を含む化学療法を症例に応じて適切に治療を行っています。
消化器がんの化学療法は、日進月歩で、様々な薬剤、レジメンが開発されており、切除不能消化器がんの平均生存期間も飛躍的に延長しています。 当科では、外来化学療法室と協力し、免疫チェックポイント阻害薬を含め消化器がんの化学療法を積極的かつ安全に施行しています。
潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患の患者数は年々増加していて、当院でも多くの患者さんが診療を受けています。
ガイドラインに沿った偏りのない基本治療の上に、新たに保険適応を受けた新規薬剤などを適宜組み合わせ、症状のコントロールと共に粘膜病変の治療を目指した治療を行っています。
B型慢性肝炎に対する核酸アナログ製剤による治療や、C型慢性肝炎に対するDAAs製剤(直接作用型ウイルス剤)治療も積極的に行っています。
オープン検査について
当院では、地域医療支援病院として、三島医療圏を中心に地域の診療所と病院が円滑な連携を図り、地域の医療機関が一体となって、患者さんへ適切な医療サービスを提供する体制を構築することを目指しています。
オープン検査(上部消化管内視鏡)
当院では、クリニックの先生から直接胃カメラが予約できるシステムも実施しており、仕事などで忙しい患者さんに、予約や結果説明のために病院を受診する手間を省いています。当院は上部消化管内視鏡を施行する1日だけの受診で済み、予約と結果説明は、開業医の先生の夜診などでして頂けます。
オープン検査(下部消化管内視鏡)
当院では、クリニックの先生から直接大腸カメラが予約できるシステムも実施しており、ご予約をいただいた患者さんには事前に来院いただき、消化器内科医師、スタッフから検査や治療についての具体的説明(前処置薬の服用方法など)をさせていただいております。なお、血液を固まりにくくする抗血栓薬などの内服の有無の確認等をさせていただくため、病院へお越しの際にはお薬手帳など服薬状況が確認できるものをご持参いただきたく存じます。検査結果はご紹介の先生宛に郵送させていただきます。
2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|
上部消化管内視鏡検査 | 2,468件 | 2,757件 |
内視鏡的粘膜切除術(EMR) | 3件 | 4件 |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 11件 | 21件 |
超音波内視鏡(EUS) | 8件 | 89件 |
異物除去 | 2件 | 4件 |
食道静脈瘤硬化療法(EIS) | 0件 | 0件 |
食道静脈瘤結紮術(EVL) | 1件 | 3件 |
大腸内視鏡検査 | 1,268件 | 1,320件 |
内視鏡的粘膜切除術(EMR) | 204件 | 253件 |
ERCP | 88件 | 120件 |
処置 | 78件 | 116件 |
腹部血管造影 | 2件 | 1件 |
TACE | 8件 | 7件 |
コイル塞栓術 | 0件 | 1件 |
B-RTO | 0件 | 0件 |
動注 | 0件 | 0件 |
2023年度のオープン検査件数
年間上部80件,下部46件(2022年度は上部106件,下部51件)
勤務医 (常勤)
立田 浩(院長)

京都大学 昭和60年卒
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会指導医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本超音波医学会指導医
日本消化器病学会近畿支部評議員
日本消化器内視鏡学会近畿地方会評議員
日本肝臓学会肝臓専門医
日本医師会認定産業医
京都大学消化器内科非常勤講師
身体障害者指定医(肝臓機能障害・小腸機能障害)
【専門】
消化器
金村 仁(内科系診療部長代行 兼 ICU部長)

平成16年卒
日本内科学会総合内科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
濱家 千絵(医員)

産業医科大学 平成14年卒
日本内科学会認定内科医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
【専門】
総合診療、老年医学
竹田 紹泰(医員)

札幌医科大学 平成26年卒
永田 健(医員)

平成27年卒
日本内科学会認定内科医
神保 祐介(医員)

平成27年卒
劉 志紅(医員)

平成29年卒
小谷野 賢(医員)

令和元年卒
山本 悠生(医員)
